2012年3月20日火曜日

ちょうど1ヶ月前ぐらいに子宮頸がんのワクチンの1回目の予防注射をしたのですが、 ...

ちょうど1ヶ月前ぐらいに子宮頸がんのワクチンの1回目の予防注射をしたのですが、

2回目をもうそろそろ打たないといけません。

必ず、1ヵ月後ぐらいに打たないといけないのですか?

1ヵ月後~どれくらいの期間までに打つといいのですか?

あんまり過ぎると効果がなくなると聞きました。

今は、部活の大会が近く、部活を抜けてまで受けたくないという気持ちがあります。

必ずなら、仕方なく抜けて受けますが、必ずじゃないなら、その効果がある期間中に行こうと思っています。

だから、質問しました。

回答いち早くお待ちしております!!







初回から1ヶ月後の接種は、初回から2ヶ月半遅れても効果に変わりはありません。

初回から6ヶ月後の接種は、初回から1年遅れても効果に変わらないとの報告があります。

効果は、3回目の接種の1ヶ月後から、98% 程の確率で、HPV の16型と 18型を、最低 7年間予防します。



子宮頚癌ワクチン効果の機序です。

HPVに似た蛋白質を注射します。

生体は敵 ( 抗原と言います ) と判断し、白血球の好中球がこれを食べて対応します。

毎回、好中球が対応したのでは効率が悪いので、好中球は、敵の情報をリンパ球に伝えます。

リンパ球は、敵の型を確認し、その敵だけ効果のある投げナイフ ( 抗体 と言う蛋白質で出来ています ) を作る専用のリンパ球 ( Bリンパ球 ) を用意し、自然感染で得られる数十倍の投げナイフを用意します。

次にHPVの 16型と、18型が侵入した時、抗体が敵に素早く対応し死滅させます。



参考までに掲載します。

子宮頚癌は、ハイリスク HPV ( ヒトパピローマウイルス ) の持続感染で発症します。

性交渉の経験のある女性の 80% は生涯に感染しますが、一過性感染でウイルスは消失します。

10% 程の人が持続感染となり、細胞の核が、いびつに変化した異形成という変化を起こしますが、免疫で治り、正常な細胞に戻ります。

ごく僅かな人が5年以上かけて、癌に進展します。



40ヶ月の経過で初期の子宮頚癌に進展した人の割合です。

ハイリスク HPV 陽性の人 ; 7%

ハイリスク HPV 陰性の人 ; 0.007%



機序は、ハイリスク HPV の持続感染により、ウイルスの E6 、E7 遺伝子産物が、癌抑制遺伝子 Rb や p53 等を抑制するためと言われています。



持続感染の原因です。

1 ) 性活動関連因子

・性パートナー数

・経産回数 ( 3人以上 )

・クラミジア等の他の性行為感染症

・年 齢 ( 30歳以上 )

2 ) 免疫関連因子

・喫 煙

・ビタミン不足

・H I V を含む免疫抑制状態

・ステロイドの使用

3 ) 遺伝的要因

・組織適合性抗原 ( HLA ) ; 白血球の血液型で、ある型の場合、生体がHPVに感染したという認識確認が弱くなってしまい、HPVを排除出来なくなってしまう事も考えられます。



ハイリスク HPV の型の種類と子宮頚癌の原因の割合 ( % ) です。

16 型 ( 44.8 % ) 、18 型 ( 14.0% ) ; およそ 60 % で子宮頚癌ワクチンはこの2つの型を予防します。その他、多い順に 52 型 ( 7.0% ) 、58型 ( 6.7% ) 、33型 ( 6.3% ) 、31型 ( 5.2% ) 、51型 ( 1.0% ) 、56型 ( 0.9% ) 、68型 ( 0.7% ) 、59型 ( 0.5% ) 、53型 ( 0.5% ) 等となっています。

0 件のコメント:

コメントを投稿