すい炎(膵臓炎、すい臓炎)について。
愛犬11歳メスが先日すい臓炎と診断されました。
元気がまったくなかったのに治療1日目ですごく元気になりました。
喜んで友人に話したところ「すい臓炎は治らない。一度元気になってもすぐダメになる。人間でも難しい」
と言われめちゃへこんでます。
3日間の日帰り入院みたいな治療で、点滴などする以外具体的な治療方法はきいてません。
本当に完治することはないのでしょうか?
軽度であれば,食事療法で大丈夫ですよ。
主に脂肪制限を中心に,
蛋白質・糖質・ビタミンの摂取を心がけられると良いと思います。
我が家では17歳で手作り食に切り替えるまで,
ドライフードのi/dを利用していました。
我が家の犬は3歳の頃に慢性膵炎と診断されてから14年。
今年の4月で17歳を迎えました。
完治出来るか否かは,現在の状態の程度によると思いますが,
仮に慢性膵炎で完治する事が出来なかったとしても,
治療後の食事療法によって予後は良好になると思います。
結果から申し上げますと、遺伝的な素因(ミニチュアシュナウザー、シェルティー)や高脂血症になるような基礎疾患(甲状腺機能低下症など) 高カルシウム血症を引き起こす疾患を持っているなどがなければ、完治する子の方が 経験的には多いです。
膵炎は大きく 急性と慢性に分類されます。
①1回のみの急性症状を現したのみで再発をみず、なんらの後遺症を残さないものを急性膵炎
②不定の間歇期を経て急性症状が何回も再発するが、そのつど完全に治癒するものを再発性急性膵炎
③急性症状を繰り返すうちに疼痛も持続性を帯び、膵臓の線維化も進行するものを慢性反復性膵炎
④膵臓の線維化が進み、結石形成や膵内分泌機能の障害も高度になって耐えがたい疼痛に悩む慢性膵炎
の4つに分類されています。
通常 急性膵炎とは①,②をさします。
膵炎のリスクファクターには 色々ありますが
高脂肪食、高脂血症、ミニチュアシュナウザー&シェルティーの遺伝性高脂血症、毒物や治療のための薬剤によるものなど 様々ですが、多くの症例においては原因は不明なことが多いです。
治療は 以前は絶食絶水で行われましたが、現在は 痛みと吐き気が治まれば飲水も食事も再開すべき とされています。
炎症による滲出によって腹腔に失われる体液量は多量で、さらにおう吐や下痢、不感蒸泄により かなりの量の体液が奪われるため 脱水とショックの是正、アシドーシスの補正などの目的で十分な輸液が必要です。
蛋白分解酵素(メシル酸ガベキサートやメシル酸ファモスタットなど)と抗生物質の投与。
制吐剤、鎮痛剤などの投与も重要です。
膵炎はDIC(播種性血管内凝固症候群)やショックと呼ばれる 命の危険が非常に高い全身的な異常が認められる場合は 低分子へパリンの投与なども必要です。
多くの症例では 完全に回復する可能性が高いですが、不顕性膵炎(下痢・嘔吐などの症状のない膵炎)が持続している場合には 膵臓の消化酵素を作る細胞が破壊されて 膵外分泌不全を起こしたり、膵臓のインシュリンを分泌する細胞が破壊されて糖尿病を引き起こしたりします。再発を予防するためには 低脂肪食を継続することが 大変重要です。
その子は、どんな食生活をしてきたのですか?
差し支えなければお答え下さい。
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